ロストワールド

ゴッホとゴーギャン展
音声ガイドに魅了される

愛知県美術館にやってきた『ゴッホとゴーギャン展』に行ってきた。

昨年、原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読んで

『絵画の世界って素敵!美術館に行かなきゃ!』となった。


キレイな色使いだな~とか、

アルルに行ってみたいな~とか・・・

乏しい感性を磨くべく一枚一枚に向き合った。

真剣に絵を見ると、良い意味でとっても疲れる。

出口に差し掛かったころには足はパンパン。

肩も背中もコチコチになっていた。


迷わず借りた音声ガイドから聞こえてくるのは、二人の友情の物語。

ノンフィクションのストーリーを聞きながら、

目の前に本物の絵画。とっても贅沢な時間だった。

(堀井美香さんのナレーション、すばらしすぎる~!

ゴッホとゴーギャンのちょっと後の時代に活躍したラヴェルのソナチネが、

流れてきて、すごくぴったりだった。好きだなぁ。)


小学生ぐらいまで、子供ならではの感覚だと思うのだけど、

ゴッホは耳なし芳一の延長線上にいた。

芳一の昔話におびえていた私に、

さらに上を行く恐ろしい話として、確か母が教えてくれた。


学校でも世界史だか、美術だかで習ったと思うけど、

次に私がゴッホやゴーギャンに触れたのは

林真理子さんを通したバブルの世界の中でだった。

華やかすぎる世界に憧れて学生時代に夢中になって読んだ。


絵画が投資の対象に
ロストワールド / 林真理子

林さんのバブル三部作の一つとも言われる「ロストワールド」では、

『土地の次は絵画だ~』とお金持ちの人たちがとんでもない金額で絵画を

売買していた場面がバブルを象徴する出来事として描かれている。


この作品は、脚本家の主人公が、

時代の寵児と称された不動産王と恋愛・結婚していたバブルの頃を

回想しながら、テレビドラマを作っていくというストーリー。


回想だからすごい昔のことのように感じて読んでたのに、

調べてみたら刊行されたのは1999年。

思っていた以上にものすごい早さで時代が移り変わってたんだな。


あれから20年弱。

あの頃、絵を買い漁った人たちは、今どうしているんだろう。

しぶとく復活して活躍していて欲しいような、そうでないような・・・

不況育ちは複雑な心境。

Haruna Terazono

”伝えること”を 仕事にしています。

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