「波止場にて」/野中柊【何でも前向きに捉えれば切り開けると思える】
趣味のコミュニティー時代、到来?!
勇気を出して聞いて見て良かった
この夏、「瓦礫の中のレストラン」「戦争がつくる女性像」を読んで、戦前から戦中、横浜の元町にあったお屋敷が舞台の不思議な小説を思い出した。
でも、どの作家さんの何て作品だっけ?といくら考えても出てこない。
読んだ本は、だいたい読書メーターに入力して管理しているんだけど、どうやらこの本は入れてないもよう。
横浜の空襲がクライマックスだった気がするので”横浜 元町 空襲 小説”など、色んなワードを入れて検索・・・
だけど見つからない。
そんなこんなで色々検索してたら出てきたのが「波止場にて」
多分違うけど、見つからない作品と同じ時代の横浜が舞台だから読んでみることに。
結果、違う作品だったけど、「波止場にて」は出会えてよかった~!と思える作品だった。
でもでも、探していた本が見つからないのはやっぱり気持ち悪いので、勇気を出して、読書メーターのタイトルや著者が分からなくなった本を探してくれるコミュニティーがあったので、投稿してみることにした。
私は、おもしろいものを見つけたら、発信したい性分なんだけど、それに対して反応がありすぎるとビビってしまうので、読書メーターは、これまで読書記録のためだけに使用。
他の人がどんな本を読んでいるのかは、よくのぞき見するのだけど、交流って、何か怖いと思っていた。
でもでも、本好きの人に聞くのが一番早いし・・・
下記のように投稿してみた
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はじめまして。以前読んだ作品のタイトルや作者さんを失念してしまい、もやもやしております。
戦時中の横浜(確か元町か山の手)にあったお屋敷が舞台の作品です。お屋敷には、きれいな身なりをしたお嬢様が住んでいて、素敵な中庭があったような気がします。横浜の空襲がクライマックスだったと思うのですが。。。もしお心当たりのある方は、お教え頂けないでしょうか?
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で、ドキドキしながら、誰かが反応してくれるのを待つことに。
すると、親切な方が、いくつかコメントを下さり、なんと一日で解決!
ありがたやー!
読書メーター凄い!
私が探していたのは、斉木香津さんの「踏んでもいい女」だったことが分かった!
趣味嗜好が細分化されたの時代だからこそ、同じものが好きな人との絆は強い!
ニッチなコミュニティーの時代が到来している!?
あ、これって10年以上前にmixiであったのと同じか。
最先端っぽく感じちゃったけど、逆に古いくらいかな。
ともあれ、これからは、勇気を出して、好きな本について読書好きさんと語り合ってみようかな。
お父さんのせいだけど、お父さんのおかげ
「波止場にて」/野中柊
「波止場にて」は、戦前の横浜(主に元町・山の手らへん)で物語が始まる。
登場人物を整理すると、、、
こんな関係は、今の世の中だったら、かなり非難されちゃうかな。
下記のように、お父さんを中心に相関図にしてみると、、、
つまり、お父さんは、妻と愛人、それぞれの間に同じ時期に娘を誕生させちゃう。
(愛人って表現は、この作品に似つかわしくないようにも思えるけど、分かりやすくするために使用)
そして、妻なき後には、愛人とは結婚せず、後妻をもらって、三人の子供を誕生させる。
同い年の娘二人は、はじめは反発し合うのだけど、次第に打ち解けて、戦中戦後の混乱の中を支え合っていくことになる。
前半は、『お父さん、なんてことしてくれちゃうの!』と思いながら読み始めたんだけど、女のドロドロの関係が見られるかなと、怖いもの見たさでページをめくっていくと、もちろんもめ事はあるんだけど、そうでもないと言うか、この相関図の女性たち、みんな根が良い人!
底意地悪い人がいない!
結果的に、お父さん、女を見る目があるなって思えちゃう。
いや、お父さんが結構うまく立ち回ってたから、女性たちが狂わずに済んだのか?!
まあ、時代かな。
何にしても、お父さんを取り巻く女性は、全然違うタイプで、それぞれに魅力的!
それから、様々な文化を生み出してきた横浜の移り変わりに触れられるのも、この作品の好きなところ。
あ、横浜っていう舞台にも、お父さん救われたかも。
横浜は、とっても素敵な場所だから!
読書メーターで気になっていた本を見つけた話に戻るのだけど・・・
『探していた本では?』と出して頂いた中に、中脇初枝さんの「世界の果てのこどもたち」という作品があった。
探していた本ではなかったのだけど、折角のご縁だし、なにより面白そうだから読んでみることに。
しかも図書館にあった!
こんな本との出会いもあるんだ~。
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