農ガール、農ライフ

女子が人生を開墾していくには?

農ガール、農ライフ」/垣谷美雨

この作品も垣谷美雨さんに、女性はどう生きるべきか?と、考えさせられる作品だった。

(垣谷さんの作品の多数がそうしたテーマで書かれている)

農ガール、農ライフ」の冒頭、早くに両親を亡くし、天涯孤独の主人公は、崖っぷちに立たされる。

就職した会社が倒産し、その後派遣社員として働いていたが、契約が更新されないことが告げられる。

同じ日に、長年同棲していた彼氏に、結婚を前提に付き合っている彼女がいるから同居を解消したいと切り出される。

派遣社員であるために家を借りられない主人公は、路頭に迷いそうに。

そんな中、テレビで新規就農した人のドキュメンタリーを見て、就農することを決意。

幾多の苦難に見舞われながらも畑を舞台に奮闘していくことになる。


私たちは、学校に入ってから、概ね”選択”すれば、社会に出られた。

進学先は学校案内を見て、就職先は求人票を見て・・・

もちろん、そこにはそれぞれに”夢”や”目標”があったりもするんだけど、10年先、20年先の現実的な生活をイメージして、選択してきた人ってそんなにいないんじゃないかと思う。

主人公も、そして私自信もそうだった。

今思えば、とりあえず、どこかの局のアナウンサーになれたら、きっと楽しい!くらいしか考えてなかったかも。

(もちろん当時は自分の持つ能力や知識をフル稼働させて、努力したつもりだけど)


主人公は、30代で、親(保証人)がいないなか、非正規社員で独身という状況で奮起するのだけど、壁にぶち当たるたびに、私自身も主人公と一緒に、自分がいかに甘かったかとため息が出た。


農業を始めるためにまずは土地探しという高いハードルがあり、始められても事業として成り立たせるのは難しい。

だからと言って結婚したら、食べて行けるのかと言えば、食べるには困らなくなっても別の問題が出てくるし、そもそも結婚すること自体が簡単ではない。


何度も心折れそうになるけれど、主人公を含め、「農ガール、農ライフ」に登場する女性たちは、隣の芝生をうらやみながらもなんだかんだ逞しいからどんどん読み進められる。

面白いことに、出てくる女性は、良い人と悪い人に、二分することができなくて、それぞれが良い面と悪い面を持ち合わせていて、”嫌な女”とか”ズルい女”と思わせておきながら、キレイ事だけじゃ生きて行けないことに気付かせてくれる。

もちろん、非情な対応に怒りを覚えたり、登場人物たちの社会への不満に共感するところはたくさんある。

垣谷さんは、やっぱり女子が受ける理不尽を書く天才だ。

それでも、最後にはやっぱり、自分の人生は、上手くいかないことを誰かのせいにしても好転しないことや、自分の責任で切り開いていくしかないことを教えてくれる。



・待っているだけでは何も起こらない。

・人を当てにしすぎちゃいけないけど、頑張っていれば協力してくれる人もいる。

・男性(パートナー)に依存しすぎず、リスクを分散せよ。


忘れないように行動したい。

農業と家庭菜園は全く違うとは分かっているけど、農業への憧れを満たすのはやはり菜園。

しかも私失敗しまくってる上、荻原浩さんがエッセイで家庭菜園の状況をリアルタイムで綴ると上手くいかなくなったときに、更新がなくなる・・・と書いていたことにとてもとても共感したはずなのに・・・


やはり芽が出ると、人に見せたくなってしまう。


水耕栽培、今のところ順調っぽい!


失敗したら晴れの日が少ないせい・・・

って上手くいかないのを何かのせいにしても好転しないことを「農ガール、農ライフ」で学んだはずなのに、早くも言い訳が頭によぎる。


そうそう、就職協定が撤廃されたら、ただ、時期が来たら選択するだけじゃなくて、「農ガール、農ライフ」の主人公みたいに、自分で切り開いていくことが大切になっていくかな。


※農業・菜園関連の本棚はコチラ(全部好き!)

Continued life~読書しながら暮らす~

大好きな本の話と共に、日々の生活を綴っています。

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