何様

私って、至らない社会人なんだよな。

「何様」/朝井リョウ

「何様」は、

就活を通して浮き彫りとなった

若者たちの本音と建て前、

そしてTwitter使いに

衝撃を受けた

「何者」のアナザーストーリーを

描いた作品。

※「何者」の感想はコチラから

「何者」の登場人物や

周辺の人たちの

過去や未来が描かれていて

つながりを楽しみつつ、

向き合いたくない自分の

短所を突き付けられる作品もあって、

しんどさを感じながら読み進めた。

表題作の「何様」では

就活を終えて、入社した主人公が

人事部に配属されて

人を評価する立場に。

人を見ることで、自分の至らなさに

気が付き、そんな中でも仕事を

していかなくてはならない

葛藤を描いている。

分かるわ～。

私は人事じゃなかったけど

ラジオでメッセージを読む中で

空っぽで気の利いた言葉を

持っていないのに自分に気づかされた。

それでもマイクの前に座り続けることで

どんどん擦り減っていく経験をした。

足りない部分に対して

指摘を受けたことも1度や2度ではない。

こうゆう思いは、

仕事している期間が長くなったから

減るものではなくて

むしろ年を重ねたのに

空っぽであることが

さらに恥ずかしくなっていって

もっと足りない人に

なっているように思う。

「何様」を読んでいると

どんなに経験を積んでも

こうした葛藤がなくなることは

ないとも思わされる。

逃げ出さずに、

至らない自分と

向き合い続けないと

成長できないんだろう。

朝井リョウさんに、

またも目を背けている

自分のダメなところの前に

連れてこられてしまった。

「何様」の他の5編にも、

また違った自分の嫌なところを

えぐられ、くたくたになりながら

楽しませてもらった。

1年でどのくらい成長できる？

1年でどのくらい使う？

トイレットペーパーを

1年分

何か私成長できてるかな。

次女は見違えるほど

大きくなってるだろうな。