田舎でロックンロール
能楽堂デビュー
伝統芸能に思いを馳せる
名古屋市能楽堂で開催された『新春を寿ぐ、江戸から現代へ』に
行ってきた。
タイトルの”寿ぐ”
恥ずかしながら読めず、、、”ことほぐ”と読むのですね~。
”ことほぐ” 柔らかくで素敵な響きだな~。
この催しには、日本の伝統芸能である邦楽や舞踊が次々に登場。
それぞれに解説があったので、ビギナーでも見やすかった。
解説の中で、”本日は○○にお越しいただき~”ではなく
”本日は○○にお出まし下さり~”とご挨拶された方がいた。
”お出まし”
この言葉も、なんだかまーるくていいなぁ。
そして、踊りも、邦楽も、登場する方は例外なく
姿勢とおじぎが美しい!
今回、一番年少だった八歳の踊り手さんまで。
舞台に立つ人の基本は、姿勢とおじぎなんだ。
芸人さんやアーティストの方も、立ち姿が美しい人が多いもんな~。
今更だけど、姿勢とおじぎ練習しよ!
普段の生活習慣を変えるってすごく大変だけど、
凛とした感じになりたい!!!
それにしても、
笛や尺八の方は、すごくたくさん息を使っているように見えて
西洋の楽器よりも、パワーが必要そう。
日本人は昔から効率より努力だったのかな~。
とか・・・
お正月のあの『春の海』の宮城道雄は明治から昭和の人で
意外と最近なんだ、江戸時代のお正月はあの曲じゃなかったのか。
とか・・・
”素地”がないから、浅い感想しか持てない。
鑑賞力は若いうちに?!
「田舎でロックンロール」/奥田英朗
あとがきの一文にものすごく納得したのが
奥田さんの「田舎でロックンロール」
中学から高校時代に岐阜県の各務原市で青春時代を送った奥田さんの
ロックに夢中になった日々を綴ったエッセイ。
(ボーナストラックとして短編小説も!)
あとがきにあったのは、
”老後、手持無沙汰になったお父さんに名作を送っても、素地がないからわからない。
興味を示さない”という話題。
さらに、そこで、”鑑賞力がある自分たちは退屈しないと思わない?”と、
ロック好きの同志たちに呼びかけている。
舞踊・筝曲・浄瑠璃等が次々に登場する舞台を見ながら
このくだりを思い出した。
素地があれば、この催しがもっと楽めるはずなのに!
せっかくの機会なのにもったいない!!!と。
鑑賞力を養って、いろいろなものを楽しめるようになりたい。
特に、興味の幅が狭いと言われがちだから、広げたいと思った。
奥田さんの作品も、70年代ロックを知ってればもっと楽しめる作品。
ラジオを聴いている洋楽好きの人はこうゆう感覚だったのかと今更ながら知ることに。
恥ずかしや・・・
出てくる作品の大半を知らないから、奥田さんが『ウォー』と興奮した曲やアーティストを
調べて聞きながら読んだ。
今みたいにこうして簡単にネットで検索できない時代に、
情報が届く速度が、日本の中でも早いとは言えない場所で
エアチェックしたり、レコード屋さんに通ったり、友達に聞かせてもらったりして
ロックを求め続けた奥田さんの鑑賞力は、専門家レベル。
何かを追い求め続けられる人は、すごい!
だから一流なんだな~。
たくさん笑わせて頂いた。
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