雪煙チェイス

雪遊びは楽しいけれど
雪は、楽しいだけではないんだよ。

名古屋市内、我が家の周りでは、あっという間に雪はなくなったと思いきや、

今朝、自転車のサドルに少しだけ残っていた。

もう雪と呼べないような氷の塊を発見して大喜びする娘。

良かったね~。

2006年から2009年の3年間。

北海道旭川市で雪国の暮らしを経験した。

1ヶ月間、一度も気温がプラスにならなかったり、(最高気温がずっと氷点下)

青空が見えなくて午後2時くらいに夕方みたいな空になっちゃって寂しさを感じたりも。

でも、飲んで外に出たら、一瞬で酔いが覚めたし、

何よりスキー場の雪質が最高だった!


私は、朝一番で、まだ誰も滑っていない整地されたバーンを滑るのは好きだけど、

誰も入っていない膝や腰の高さまですっぽり包まれてしまうような

不整地で滑る楽しさはよくわからない。(臆病だから…)

でも、当時からバックカントリーをする人が増えていて、

パウダースノーを楽しむのは、スキー、スノーボードの新たなトレンドになっていた。

そんな中、コース外に出てしまう人がいて、スキー場は頭を悩ませたりもしていた。

今日も、外国人スキーヤーのコース外に出て遭難してしまって発見されたというニュースが

あったから、現状はきっと変わっていなさそう。


コース外滑走に警鐘を鳴らす
雪煙チェイス」/東野圭吾

この冬、東野圭吾さんの「疾風ロンド」が映画化されて、

恋のゴンドラ」「雪煙チェイス」が出て、雪山三部作が完結した。

この三部作を読んで、『東野圭吾さんは、パウダーが好きなんだな』

ということが何より強く感じたことだった。

好きだからこそだと思うのだけど、

コース外滑走をしてはいけない理由を登場人物に丁寧に語らせている。

ルールを守って楽しまないと、とんでもない危険が待っているという

メッセージを重く受け止めた。

雪煙チェイス」の主人公は、スノボ好きの大学生。

事件に巻き込まれてしまいながら、自分の身は自分で守ろうと小賢しく振る舞う。

浅知恵かと思いきや意外と的確な判断をしていくところが面白い。

それに対して、警察のおじさんたちはメンツばかり気にしていて情けない。

二人の元スノーボードクロス選手女子の友情にもほっこりする。


分かりやすい内容に、物足りなさを感じる人もいるようだけどすっきり爽快とも言える。

しがらみに疲れて、何からも縛られずに自由に考えて行動できた学生時代の

無謀で無敵な感覚を呼び覚ますことができる作品!

Haruna Terazono

”伝えること”を 仕事にしています。

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