図書室のキリギリス

本屋さんに行くと印刷のインクの臭いで、

トイレ(大)に行きたくなるという説があるけれど、

うちの娘も二歳にして、この習わしに順応しているらしい。

本屋さん、図書館と、ご機嫌に絵本を鑑賞していたと思ったら毎回やってくれる。


そんなハプニングはあっても・・・

小さなころから本を読んで、日々の生活の中では知ることのできない世界に

触れて育ってほしいと思う。


写真は、新しい服を買ってもらい、はしゃぐ様子。

オシャレが好きならかわいい服を着た主人公が出てくる絵本を探してあげよう。(親ばか)

私自身は子供の頃、母からも本を読めとよく言われていたにもかかわらず、

本が好きではなかったので非常にもったいなかったと今更ながら後悔している・・・


そんな後悔がさらに募るのが、

竹内真さんの「図書室のキリギリス

学校図書館の司書になった主人公が、本に込められた思いと謎を読み解いていくと

いうストーリー。

図書館に集う人だけが、味わえる楽しみがあるんだと、感じられる。


柚木麻子さんの「本屋さんのダイアナ」を読んだ時も感じたが、

素晴らしい出会いの空間が用意されていたのに、なぜ図書館に通わなかったのか。

本当に悔やまれる。


図書室のキリギリス」では前任の司書さんが急に辞めてしまい、

主人公は突然、資格も経験もない状況で司書になる。

その前任者の退職理由がとても印象的。

学校図書館の司書は契約社員。

いくらがんばっても、昇給せず、上限期間以上は働けず、

運が悪ければ、後任の人は一生懸命やらない人かもしれなくて、

作り上げたものはなくなってしまう。。。

虚しさを感じていたようだ。


経営サイドからすると、うまく回していくためには、頭数そろえて、コストを抑えて、

それなりの内容で良いという判断になることもあるかと思う。


でも、先がない仕事に対して、今だけが良ければ・・・と割りきれない人もいる。


ただ、使われる側、選ばれる側になることを自分が選んだ時点で、仕方がない

とも最近思うようになった。

与えられた場では、そこのルールに従わないとならない。

それが嫌なら、自分で自由にできる場を作るしかない。


いくつになっても悩みはつきない。

迷ったり、落ち込んだら、図書館で本を借りよう。

作家さんたちのいろいろな考え方に触れれば、世界は広がる。


Haruna Terazono

”伝えること”を 仕事にしています。

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