図書室で暮らしたい

昨夜、読書メーターで読書の履歴を見ていたら、

辻村深月さんの「図書室で暮らしたい」という作品のタイトルが飛び込んできた。

ものすごく共感できるタイトルに、市の図書館のHPを即検索!

(便利な時代になったものだ・・・)

すると、なんと、市内各地の図書館で、貸出中となっているに関わらず、

隣の区の図書館に”在書”の表示が!


朝一で自転車をこいだ。

隣の区といえど、地下鉄の駅にすると5駅分くらいの距離。

30分ほど、アップダウンも結構あったので、汗をダラダラ流しながら自転車を走らせ、

9時半の開館時刻ぴったりに到着した。


いつも使う、最寄りの図書館よりも、かなり年季の入った建物で、

古めの公立学校の校舎のような雰囲気。

貸出本が並ぶエリアの入り口の正面には、使い込まれた、長机が間隔狭目に、

並んでいて、

向かって右側は学生、左側は社会人と書かれた紙が、セロハンテープで貼られていた。

夏休みに入ったので、すでに、小中学生の姿もちらほらあった。

宿題をやったり、ライトノベルや児童書を読んだり。

本好きな子にとっては涼しいし、快適な環境に違いない。


お目当ての本を見つけ、長机と共に並ぶ椅子に座り、

ページをめくり始めると、館内放送が。

懐かしい「ピンポンパンポン」の後に聞こえてきたのは、子供の声。

夏休みの今、図書館大使をしている子供たちが、この後、

絵本の読み聞かせイベントを行うとのお知らせだった。

素敵な企画!


さて、肝心の辻村深月さんの「図書室で暮らしたい」は、

期待以上に面白く、さらっと読了した。


内容はエッセイで、テーマはごちゃまぜなのだが、

ちょうどうちの娘と同じ二歳の子供がいる時に書かれた作品で、

子育て中のエピソードが書かれた項では、涙が出てきてしまった。


やっぱり同じようにお子さんはアンパンマンが好きで、

初めての海外旅行は、グアムで、保育園の先生にひたすら感謝して・・・

同世代のなのに、私は、何も成し遂げられていないけど、

母として、一緒のところがいっぱいあってうれしかった。


母になってから、”出産して変わったこと”をよく尋ねられるようになったとのことだったが

母として・・・一番共感したのは、

辻村さんが、保育園の先生をはじめ、他者の才能に敬意を払っている姿だ。

もしかしたら、辻村さんは産む前からそうだったかもしれないが、

私の場合は、子供を産んでから、自分は足りないことばかりであることを認め

周りの人の素晴らしさを見つけられるようになった。

エッセイの中で、高校生のころまでは、

”世の中のほとんどのことは、自分の常識の中で完結できると信じていた”と書かれていたが、

私は子供を産むまで、そう思っていたふしがある。


アンパンマンは何度か登場するのだが、ちょうどやなせたかしさんが

亡くなったころに書かれたようで、

子供のために”アンパンマンがずっと続くようにお祈りしました”なんて

書かれていたり、

バイキンマンのセリフに感動したエピソードを紹介したり、

視点も表現力もすばらしい。

自分が感じていたことがクリアに活字で説明され、すっきりした。

自分の感じたことを文字や言葉できちんと説明できるってすごいな~。

頑張らなくては。


写真は、辻村さんと被ったグアム旅行。そして自分では決して作れない、

保育園の先生が娘と一緒に作ってくれた工作の数々。

ありがたや~。

さて、サラリーマンに挫折して早三か月。

この本は、「図書室で暮らしたい」は、私に、

”お母さんでも、すごいことを成し遂げている人ははたくさんいるんだから

もう一度頑張れ!”と叱咤激励してくれているのかも。


ちゃんと、頑張らなくては。

Haruna Terazono

”伝えること”を 仕事にしています。

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