ナックルな三人

野球ファンを魅了する特別な球を

ナックルな三人」/ねじめ正一

年明けに「伊集院光とらじおと」に
作者のねじめ正一さんが出演されて
紹介していたのを聞いて
ずっと読みたかった一冊。

野球が大好きな伊集院さんが、
ゲストトークの前に
作品をあえて読まずに
”野球””ナックルボール”と

言うキーワードで

同じく野球が大好きなねじめさんと
語り合っていた。
(私なら怖すぎて読まずに作品の話なんて
絶対できない!伊集院さん天才!)

お二人が楽しそうに

お話ししているのを聞いて、

ナックルボールと言うワードを
聞いたことすらなかったのに
ナックルの魅力に
すっかり引き込まれてしまった。


ナックルな三人」は、

”ナックルボール投げてたよね?”

と仕事で再会した

小学校の同級生に声を掛けられた

ところからはじまる。


キャッチボールをする約束をして

旧交を深める二人。


しかし、ほどなくして同級生は

若年性認知症を発症してしまう。

そして、仕事を早期リタイアして

ナックルボールを投げることだけを

目標に生きていくことに。


そんな中、

主人公が同級生に本物の

ナックルボールを見せたい

一心で、人探しをしている過程で

出会った女性にナックルの

投げ方を師事することになる。


若年性認知症になっても

ナックルボールを投げるという

夢を何とかして叶えようとする

同級生に引っ張られるように

若いころ、ナックルボールに

魅了された経験のある2人も

練習に協力していく。


認知症の現実はとても深刻で、

自分の家族を思うと

何もできずにいるのが

もどかしくも感じられたけど

この三人には

ナックルボールがあって良かった。


三人とも天涯孤独で

健康面、経済面とそれぞれに不安は

抱えているけれど

ナックルボールへの

夢があるから、

作品全体が重いのに、明るい。


いくつになっても夢や恋は活力!?

平日昼間のカフェも春模様

あったかくなってきて

図書館近くのカフェでの読書タイムを

楽しみに暮らしてる。


今日は隣の席に

リタイア後のおじさま二人が

確定申告の話で盛り上がってると

思ったら、、、

窓の外からお仲間がやってきて、

合流しようとしている。

二人は友人が店に入ってくるまでの間に

”あいつはどう見ても60には見えない”

と頷き合っている。


”おじさま、どう見ても年相応。。。”

と心の中で思いながら

手元の本の世界に戻ろうとしたら

今度は、若い奥さんをもらった友人や

素敵な女性のいるお店の話が始まる。


まさかの恋ばな!

その様子、高校生の男子のよう!


さらに、別のおじさまが

カフェで買ったケーキを、

図書館の司書の女の子にプレゼント

している姿も目撃。

20代半ばと思われる女の子は

困った様子なんだけど。。。


いくつになっても

男性のモテたい願望って

なくならないのかも。


ナックルな三人」にも

そんな中高年の恋愛要素が

含まれている。


年を重ねたからこそ

異性が必要になることが

あるのかもな。

そのステージに行ったときの

お楽しみにしよう。


Haruna Terazono

”伝えること”を 仕事にしています。

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