ワンオペ育児

男女の違いを本能的に悟る娘。

女性は社長になれないのか??

「ママー、今よりもっと大きくなったら
何になりたい?」

と三歳児に突然聞かれ・・・

「そうだなー。社長!」

と答えたら・・・

「ママー、ママは女の子だから
社長は無理だよー。
パパならなれるかもしれないけど」

と言われる。

「何それ?!
三歳にしてそんなイメージ
持っちゃうもんなの?
その歳で社会の第一線で働くのは

男って決めちゃっていいのかな?!」


と思い、


「あのさー。
このままパパがサラリーマンを
がんばって、出世競争を勝ち抜いて
社長まで昇りつめるのは
すごく難しいと思う。
それよかママが起業して社長に
なる方がよっぽど簡単だって。
今、ママさん起業家って増えてる
みたいだしさ。
まぁ、ママは怠け者だから
難しいのは認めるけとさ。」

と説明すると

納得行かない表情をする娘。


「ちなみに君は

何になりたいの?」


と聞くと


「ケーキ屋さん」

だそうだ。


ふーん。

20年後くらいの女性って
どんな風に働いているんだろうね。


怒りと共感が止まらない

ワンオペ育児」/藤田結子

図書館で子供向けの絵本の横に

他人事ではないタイトルを見つけて

借りてきてしまった。


大学の研究者であり

出産経験のある藤田さんが

私が日々思ってたことを

分かりやすい言葉にしてくれた!

と思えた作品。


頭が良い人はすごいな~。

どうして出産後職場復帰して

辛かったのか、

日々憤りを感じながら

生活していたのか、

私が上手く言葉にして

周りに伝えられなかった思いを

全て説明してくれている。


ワンオペ育児とは、

主に母親が、育児や家事の

ほとんどを一人で回すこと。


さらに、育児だけでなく、

ダブルインカムじゃないと厳しかったり

女性の活躍が推進されちゃったりしてるので

育児・家事に加えて、仕事も

一人が背負わざるを得ない状況に

なってきている。


私も、育児と仕事の両立ができず

挫折してしまったので、

この作品にはほぼ共感!


特に、父親が育児に参加しない

理由を分析した

”第二章 自称イクメン問題”

を読んでいるときには、

うなずくことばかりで

あの頃、職場復帰してからの

夫(専業主婦志向)の心ない発言が

蘇ってきた。


保育園の送り迎えや

時間内に仕事を終わらせなければ

ならないプレッシャー。

急な発熱での呼び出し。


保育料に加えて、

時間がないからタクシーを多用して

買い物もざっくり買いだめだから

働いてるのに全然お金がたまらない。


自分のことにかまう余裕はないから

服も髪も化粧もいつもぐちゃぐちゃで

子供を寝かしつけたら

ソファーでぐったり寝てしまう。


こんな生活をしているのは

私だけじゃなかったんだなと

改めて思いつつ・・・


・保育園に預けて育児放棄している

・結婚してからフェミニストに

 目覚めるなんてとんだご都合主義

・子育てや家事の仕方を見ていると

 仕事ができない理由がわかる

・金食い虫


などと、

私の大変さを理解しようせず

たいして協力もしないで

夫が言い放った言葉を鮮明に思い出した。


まあ、これは一生許さない

発言としてここに記録しておこう。


この作品にも

”産後の恨みは一生忘れない”

と書かれていたけど

まさに!!!


・・・と、夫への恨みを

再燃させるために

この本は書かれているのではなく

どうして、女が家事育児で男は仕事

という意識を持ってしまうのか。

また、そんな風潮が解消されてないのに、

女性活躍が推進されちゃってるのか

と社会の問題点を指摘している。


ちょうどノーベル賞受賞者が

発表されたけど、

日本人のノーベル賞受賞者が、毎回

”妻の支えがあって・・・”とか

”いい家庭人だったとは言えなかった”とか

言いながら妻への感謝を

語っちゃうシーンに、藤田さんが

苦言を呈しているところも面白い。

ノーベル賞を受賞すれば

妻のワンオペ育児は美談になるのか?と。


研究者として、出産後

思うように仕事ができなく

なってしまった

筆者の藤田さんならではの

視点なんだな~。


野心家だった女性も、

子供を産んだことで、

背負わなければならないことや

諦めなくてなくてはならないことに

つぶされてしまいがち。


なんだかんだ言って

小さな子供を育てている人が

社会の第一線に戻ってくることって

まだまだ歓迎されていないんだよな。


この作品には

一応、ワンオペ育児の解決法も

書かれているけど

残念ながらそんなに簡単に

スウェーデンのようにはならないわけで

上手くやれる方法を引き続き模索し続ける

しかないなと思った。


でも、この本を読んで

一生忘れないドロドロした

思いを整理したら

すっきりした~。


二人目が生まれたら

一人目の育児と仕事の

両立の失敗を生かして

もう一回戦うぜ!

という意欲が湧いてきた。

中秋の名月。

写真は上手くとれなかったけど

キレイだった。

Haruna Terazono

”伝えること”を 仕事にしています。

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