BUTTER

主人公が10キロ太る!

BUTTER」/柚木麻子

太る!絶対太る!って
BUTTER」を読んで分かってるのに
スーパーでバターを購入。
茹でたあつあつのジャガイモに絡めて、
さらに明太子と大葉を加えて食べた。

おいしすぎる~!


そんなこんなで

今までバターが1ヶ月くらい

冷蔵庫に入ってない生活をしていても
不自由していなかったのに、
この作品を読んだら、
バターを食べずにはいられなくなった。

バターたっぷりの
たらこスパゲティーがやめられない。

柚木さんの作品って本当に
食べ物の描写が素晴らしいから

困っちゃうわ~。


BUTTER」は、
美味しいものを食べて太って
何が悪い?!って思えてきちゃう
とーっても恐ろしい小説。

主人公はストイックな性格で

体型を維持することに

努めてたのに、

物語が動き出すと

どんどん太っていく!!!


毒婦の周りをぐるぐる回って溶ける

魅力的だとは思いたくないけど

BUTTER」のモチーフと

なっているのは、

死刑が確定した木嶋佳苗

による首都圏連続不審死事件。

木嶋死刑囚をモデルとした女、

通称カジマナは、

たくさんの男の人に貢がせて

亡くなっていった人たちも。


多くの人が思い描くもてる女性とは、

たぶんスレンダーで美人。

でも、男性にお金をたくさん貰って

贅沢三昧していたカジマナは

ふくよかで美人とは言えない。


それなのになんで

こんなにもてるのか?!


謎に迫るのは、

主人公である、

週刊誌で働く30代女性記者。

カジマナをと面会を繰り返す中で

彼女の言動に翻弄されて

価値観までも変えられていってしまう。


欲望に正直で自信に満ちた

カジマナにどんどん感化されていく。


私も。。。


自制心が強い人ほど

自分の欲望に正直すぎるカジマナに

魅了されちゃうのかも。

勝手に「こうあるべきだ」と

思い込んで、自分を抑え込んでいたことに

気付かされて、なびいてしまうんだ。


途中まで、

カジマナが持っている

求心力、影響力、話術から

学ぶべきことはあるんじゃないか

とまで思わされてしまった。


でも結局は寂しい人なんだよな。

カジマナこそが

なりたい自分を貪欲に追い求めていて

そのストーリーにそぐわない人間を

排除し続けているのかも。


とにかくこの毒婦恐ろしい。


でも、柚木作品、やっぱり大好き!

久しぶりに発売日に

本屋に走った甲斐があった!

Haruna Terazono

”伝えること”を 仕事にしています。

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