あのころのデパート

地元にあるデパートは、バブル期に拡大、3棟に。

でも、リーマンショックを経て、1棟は駐車場になり、

もう1棟には大手カラオケボックスが入って、

今、営業しているのは1棟だけになってしまった。


子供の頃、洋服を買ってもらったり、地下で食品を買ったり、レストランで食事をしたり

横須賀は田舎だから大したものがないと言いながらも、ここで思い出をたくさん作った。


長野まゆみさんの「あのころのデパート」は、

長野さんの幼少期のデパートの記憶や、デパートで勤務した経験を中心に、

デパートの秘密を綴った作品。


母の世代の長野さんに語られるデパートは、私が思っているより、

ずっと特別感があって、敷居の高い場所だった。


それでも、デパートが元気だった最後の時代には私も生まれていたので、

読んでいると、祖母が捨てずに取っていたデパートの包装紙の臭いを思い出したし、

ハサミでリボンのくるくるを作る方法だったり、レストランでの食券のやり取りも

懐かしく思い出した。


デパートから、横道に入って出てくる話もこの作品を魅力的にしていた。

中でも『暮らしの手帖』への意見は、暮らしの手帖創業者をモデルにした

朝ドラ『とと姉ちゃん』を見たばかりだったので、ハッとさせられた。


”商品テストでは天下のナショナルや日立を厳しく批判した『暮しの手帖』でも、

家電メーカー各社がその後何十年にもわたって商品開発の基準としてきた

「標準的な家庭(夫と妻と子どもふたり)」のドリームには、

まったく文句をつけなかったのだ”

と・・・女性が家事をすることを前提として記事が書かれていたことに

問題の根深さを感じると指摘している。


半年間ドラマを見ていて、フィクションだったと言えど、

子育て中の女性が家で仕事ができるように配慮したり

女性の働きやすい環境を先進的に作っている会社だと、私は正反対の認識を持っていた。


様々な角度から、物事を検証できる目を持ちたいものだと感じた。

写真は、かぼちゃサラダ。

今年は、昔のデパートにはなかったハロウィンを、ちょっとだけ楽しんでみた。


Haruna Terazono

”伝えること”を 仕事にしています。

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