七十歳死亡法案
今日、母が還暦を迎えた。
ちょっと前に帰省した時に、兄弟や親せきと共に、還暦パーティーをした。
そしてこの3月には、大学卒業後、私たち3人兄弟の産休・育休期間をのぞいて
毎日働き続けた仕事を勤め上げることになる。
35年間。凄いなぁ。
まだまだ頼るばかりで、親孝行できていないけど、
ひとまず、母にとって目に入れてもかわいい人たちに、幸せな気分を届けてもらっている。
「七十歳死亡法案」という恐ろしいタイトルの作品を垣谷美雨さんが書いている。
怖すぎるタイトルなので、先に補足しておくと
「ニュータウンは黄昏れて」・「結婚相手は抽選で」に続いて、
前半相当絶望的な気持ちになり、後半のすっきり爽快感が凄い作品。
寝たきりの義母の介護をしながら、
仕事がうまく行かずに会社を退職して引きこもってしまった息子と、
義母や息子の問題を妻に任せっきりの夫を、主婦として支える主人公。
娘は、家を出て、寄り付かなくなってしまっている。
寝たきりの義母は、体が思うように動かない状況に
息子は、世の中に受け入れられない環境に
夫は、お金を稼いでいるという自負に
それぞれか甘え、そんな家族を支えるのが自分の務めだと、我慢をし続ける主人公。
みんながみんな、自分のことしか考えずにいるので、不幸が連鎖している。
そんな中、国民全員が70歳になったら安楽死するというトンデモ法案が成立。
それぞれの思いで、この法案成立を受け止め、公布されるまでの日々を送ることに。
そして生きる時間が限られたことで、家族が変わり始める。
間違ってしまっても、躓いてしまっても、立ち直るきっかけは誰にでもやって来る、
人は変われて家族も再生できる。
絵空事でなくそうなんだときちんと思わせくれる、説得力のある内容。
私も、娘という心地よい役割に甘えすぎていると気づかされ、反省。
何かをしてもらうばかりの関係から、卒業しないとな・・・
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