伊藤くんA to E

アウトレットのサマーセールに行ってきた。

この時期一日何度も着替える娘のためにまとめ買い。

子供はすぐに大きくなるので、いつも大きめを買う。


服がきれいな状態のときは少しぶかぶかで、

次のシーズンには、着古してちょっと裾が短めになっていたり・・・


いつ、一番良い姿でいようとしているのか、

なんだかいつまで経っても『本番』がこないような気がして、もどかしい。

成長中の子供はそれで良いのかもしれないけど。


柚木麻子さんの「伊藤くんA to E」に登場する伊藤くんは、

大人になっても、ずっと準備期間を生きているような人。

『本番』はまだ来ていない。


今の自分はだめだけど、将来のための準備をしているから仕方がないという立ち位置で、

いつまでも本気を出さない。

そして、周りは傷つけるけど自分は傷つかない。。。

周りの女性たちが見事に振り回されていくので、読んでいて、結構イライラする。


先日、学生時代、一緒に塾の講師をしていた友人がこんなことを言っていた。

教え子たちに「将来のために、今がんばろう」言い続けていたから、

今だに自分自身、これからの未来にあるかどうかわからない良いことを信じて

すっかり今を楽しく生きられていない。

辛くても仕事を頑張り、貯金をして、恋愛はしばらくしていない。と・・・


『その日暮らし』で後々後悔したくないけれど、

少なくとも、未来の自分に過度に期待する時期はもうとっくに過ぎたんだな・・・と

作品の伊藤くんの姿と友人の言葉から気付かされた。


今より良くなりたいという向上心(身の丈にあった野心)は失わずに、

楽しく暮らしていきたい。

Haruna Terazono

”伝えること”を 仕事にしています。

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